さまざまな人、障害当事者と繋がる・繋げる、サニーバンクのご紹介。 アクセシビリティの祭典2022のテーマは「Connection with Others Changes the World. 人の繋がりが世界を変える」です。 私自身がサニーバンクで、たくさんの人や障害当事者の ワーカーさんたちと出会った、繋がったことで、考え方や見える世界が変わったと感じていたので 今日は私の経験も交えながら、サニーバンクについて紹介したいと思います。 初めに自己紹介です。岡上洋子といいます。 株式会社メジャメンツという会社の社員です。 メジャメンツが運営しているサニーバンクを事務局スタッフとして、主にアクセシビリティに関する案件を担当しています。 今年で3年目になります。 その前は公的機関の広報担当部署で、ウェブアクセシビリティに関する仕事をしていました。 続いてサニーバンクについてです。 サニーバンクは株式会社メジャメンツが運営する障害者専門のクラウドソーシングサービスです。 障害者の仕事は「誰にでもできる簡単な仕事」だと考えている人がとても多いように感じます。 しかし実際には、自分に合った働き方さえ見つかれば、もっといろいろなことができる人たちがたくさんいると感じています。 外出や通勤が困難であったり、体調によって長時間拘束される仕事ができなかったり、 職場の人とのコミュニケーションに不安があったりして、スキルや能力はあるのに、働きたいのに働けない、という方が多くいらっしゃいます。 これらの問題を解決するべく、サニーバンクでは「在宅ワーク」を中心とした 「業務委託」の形でのお仕事を提案・提供しています。 サニーバンクには現在、4200人を超える会員が登録しています。 障害は登録数の多い順に、 発達障害、精神障害、 肢体不自由、 視覚障害、聴覚障害、知的障害などです。 主なお仕事は、ウェブアクセシビリティ診断やリアルタイム字幕提供サービス ライティング 「リモートアシスト」という視覚障害者支援サービス 施設や商品などの使いやすさを診断する「アクセシビリティ診断」 ウェブサイトの制作・運営などです。 障害があるからこその視点を生かしたお仕事が多いですが、障害関係なく、その方のスキルに応じたお仕事を依頼することもあります。 お仕事を依頼したい方や企業と仕事を受けたい会員をサニーバンクがお繋ぎします。 物の見方や考え方、当たり前が違う人たちとの出会いは、私自身これまで気づきもしなかったことを知ったり、新しい考えが生まれたりするきっかけになっています。 それからサニーバンクでは、仕事を受託してくれる会員のことを、ワーカーと呼びます。 この後お話する中で「ワーカーさん」と言ったら、それはサニーバンクの会員さんのことですので、覚えておいていただけると嬉しいです。 先ほど自己紹介でもお話ししたように、私は前職まで公的機関でウェブサイト改善の仕事をしていたのですが 基本的にはウェブアクセシビリティのガイドラインに沿って、ガイドラインに書いてあることをもとに対応していました。 でもそれは実際に自分が見たり聞いたり体験したものではなく、 自身のウェブの利用の仕方と大きく違っているものでもあったため 本当にこの対応でいいのか、これで本当に役に立つのか、という思いがずっと ありました。 障害について、障害者のウェブ利用について、調べたりもしましたが 結局「想像」で対応するという形で、 想像して良かれと思ってやっていることが、実際には見当違いだったりするのではないかと自信が持てない部分もありました。 サニーバンクでワーカーさんと一緒にウェブアクセシビリティ診断を行うようになり ワーカーさんから生の意見が聞けるようになりました。 私のあのときのあの対応は間違っていなかった、 実際に役に立っていたんだと、想像なりに一生懸命やってきたことが報われた気がしました。 時にはもっとこうした方がよかったかも、と思うこともありましたが、 やはり実際にユーザーに直接聞くのが早いし、確実です。 サニーバンクのワーカーさんとの繋がりに感謝しています。 障害者とは「何かにすごく困っている人」ともいえます。 すごく困っている人の意見を聞いて、その意見を参考に改善することで、ちょっと困っている人や困っていることに気づいていない人にとっても良くなることはたくさんあります。 例えばウェブアクセシビリティ診断で、 発達障害のある方から 「真っ黒の背景に真っ白な文字が書かれていると、コントラストが強すぎて読みづらい」という意見が出ました。 とはいえ、文字が読めないほどつらいものではないと思えたのですが、 サイト制作に関わる担当者の1人が、サイトのデザインチェックのために長時間眺めていると目がつらくなって、背景色の黒を少しグレーに変えてチェックすることにしていた、ということがありました。 ぱっと見る分にはつらいとは気づかないものでも長時間さらされると、実はストレスになるのだと気づいた出来事でした。 このような、多くの人にはすぐには気づけないようなストレスがユーザー離れを引き起こしているということもあると思います。 また、例えばカメラを作る人は、視覚に障害のある人がカメラを使うなんて 想像もしていなかったのではないかと思うの ですが、 実際には、弱視の人が拡大して見るためにスマホで写真を撮ったり、 全盲の人が後で誰かにかわりに見てもらうために写真を撮ったり、 記念撮影したりすることもあります。 これは実際の当事者ユーザーと繋がっていなければ気づけないことです。 置かれている環境や価値観などが自分と大きく異なる人に意見を聞くことで、知らないことすら知らなかったことを知ることができます。 このような予想もしなかったユーザーや、そのニーズを知ることで、ビジネスチャンスにもつながると思います。 サニーバンクのお仕事の中には、その業務を行うにあたって、基礎的な知識や専門知識が必要なものもあります。 サニーバンクにはそういった知識を会員が習得するためのセミナーを行ったり、 業務を行うにあたって専門的なアドバイスをいただいたりするアドバイザーがいます。 アドバイザーほかにも、お仕事の設計を行ったり、 各分野の専門家として受けた相談を、仕事としてサニーバンクに展開していただいたり、 障害者について、障害について、サニーバンクについてなど、情報発信を行っていただいています。 アドバイザーの紹介です。 「寝たきり社長」として有名な佐藤仙務アドバイザー 発達障害、聴覚障害のあるくらげアドバイザー 漫画家でデザイナーの寺島ヒロアドバイザー ウェブアクセシビリティに関しては、視覚障害当事者でもあるアクセシビリティコンサルタントの伊敷政英アドバイザー そしてこの祭典の主催者、板垣宏明さんもサニーバンクのアドバイザーです。 サニーバンクには障害もスキルも本当にさまざまなワーカーさんがたくさんいます。 「ワーカーさんに意見を聞きたい」という場合、サニーバンクの会員に広く アンケートできく、 商品やサービスを実際に使ったり、触ったりしてレビューしてもらう、 オンラインでインタビューするなど、さまざまな形できくことができます。 インタビューは個別に行うことも可能ですし、特定の障害のある方、異なる障害のある方に集まってもらってグループで行うことも可能です。 オンラインであれば全国各地のワーカーさんと繋がることもできます。 それがワーカーさんのお仕事になるだけでなく、 ワーカーさんたちも、だれかの、社会の 役に立てることにやりがいを感じて、丁寧に熱心に向き合ってくれます。 サニーバンクのワーカーさんの声を商品サービスの改善に活かしていただけたら嬉しいです。 私たちがまだ知らない、気づいていない「困難」を抱えている人たちがいます。 その「困難」、「障害」を知って改善することができれば、それは「障害」ではなくなります。 「障害」がなくなることで、多くの人にとってよりよいものにすることができ、 多くの人に選んでもらえるということにも繋がると思うし、よりよい社会の実現に貢献するということにも繋がると思います。 多様なユーザーの声がききたいという場合は、ぜひサニーバンクにご相談ください。 サニーバンクのウェブサイトでは、仕事を依頼したい企業のかた 仕事をしたい障害者のかた向けに、情報を発信 しています。 サニーコラムでは、アドバイザーと私でアクセシビリティについて語る「ウェブアクセシビリティ座談会」や、 「アドバイザーコラム」や「社長ブログ」、 元HKT48の恭加さんによる「THEATRE for ALL」の作品についての感想文も連載しています。 「サニーバンクの会員アンケート報告」もとても興味深いものになっています。 サニーバンクは私自身、まだまだ気づいていない可能性を秘めていると思っています。 サニーバンクでこんなこともできるの?、こんなことがやりたい!などありましたら、ウェブサイトからお問い合わせください。 TwitterやFacebookのアカウントもありますので、よかったらフォローしてください。 最後までご視聴いただき、ありがとうございました。