【6】【視覚障害】みんなで取り組む「情報アクセシビリティ コミュニケーション」 伊敷:視聴者のみなさん こんにちは。ここからは「みんなで取り組む情報アクセシビリティ・コミュニケーション」ということで、およそ50分間のセッションを進めていきたいと思います。 このセッションの司会進行、ファシリテーションを担当しますCocktailzの伊敷 政英といいます。よろしくお願いします。私自身、生まれつき視覚障害があり、今は全盲で視力0の状況です。 なのでスクリーンリーダーで音を聞きながら、みなさんと話をしたいと思います。 このセッションでは「みんなで取り組む情報アクセシビリティ・コミュニケーション」ということで、昨年の5月に法律が成立しました。 通称「情報アクセシブルビリティ・コミュニケーション施策推進法」という通称にしてはかなり長くて難しいんですけども、この法律が昨年5月に成立しました。 この中の第3条の4では基本理念の一つとして、「デジタル社会において障がい者が高度情報通信ネットワークを利用し、情報通信機器を活用して必要とする十分な情報を利活用できるようにすること」が基本理念としてうたわれています。 ということで、このセッションでは主に視覚障がい者の移動支援をサービスとして提供していただいている3社の企業の方々にご参加いただきまして、それぞれの各社のサービス紹介や、 どんなふうにアクセシビリティサイクルを回していったら、移動支援時の情報提供や、コミュニケーションがより円滑に進んでいくかというお話ができたらと思っています。 このセッションでは、私が一人でお話しするのではなく、3社の方々にお越しいただいていまして、パネルディスカッション的な流れにしていけたらと思っています。 まずは一言ずつご挨拶をいただこうと思います。まず、ナビレンスの安藝あずみさんよろしくお願いします。 安藝:よろしくお願いします。ナビレンスの安藝あずみと申します。ナビレンスはスペイン企業ですけれども、全世界にアプリのサービスを提供しております。どうぞよろしくお願いします。 伊敷:よろしくお願いします。そして2社目、「あしらせ」というサービスを提供しています株式会社Ashiraseの千野 さんです。よろしくお願いします。 千野:よろしくお願いします。Ashiraseの千野 と申します。 私達はくつに取り付けた機器を振動させることで、障がい者の方の耳を邪魔しない形でナビゲーションできないかというナビゲーションのシステムを開発、販売している会社です。よろしくお願いします。 伊敷:よろしくお願いします。そしてアイコサポートというサービスを運営していらっしゃいます株式会社プライムアシスタンスから藤田さんと藤井さんです。よろしくお願いします。 藤田:よろしくお願いします。 藤井:よろしくお願いします。アイコサポートは遠隔にいるオペレーターがスマホカメラやGPS情報から声の視覚情報をお伝えするサービスです。今日はよろしくお願いいたします。 伊敷:よろしくお願いします。そしてチーム アイ・コラボから北山さんです。よろしくお願いします。 北山:よろしくお願いします。 伊敷:では早速各社のサービスについて簡単にご紹介いただこうかと思います。今ご挨拶いただいた順番でお話しいただきたいと思います。まずナビレンスの安藝さんからお願いできますでしょうか。 安藝:では、ナビレンスのご紹介の方をさせていただきます。ナビレンスの安藝 あずみと申します。今日はよろしくお願いします。まず、ナビレンスというのは、どういったサービスかということをお知らせいたします。 ナビレンスは、アクセシブルなデジタルコードのナビレンスコードとそれを読み取る2つの無料スマートフォン用アプリです。 アプリはアンドロイド、iOSに対応しています。一つは音声ガイダンスを基本とした視覚障があるユーザーに向けたアプリNaviLensと、視覚情報を基本として発信するNavilensGoアプリです。 まずナビレンスコードからご説明いたします。ナビレンスコードは一番外に白枠。その内側に黒枠、その中にピンク、ブルー、イエロー、ブラックの4色のセルx5で25個入ったカラフルな2次元コードです。 これは視覚障害があっても、スマートフォンのカメラで捉えやすいよう、5年の月日をかけて開発されました。 特徴として6つ挙げます。 1つ目、長距離からの読み取りが可能です。 A4サイズ約21センチ4方のコードは約17メートルの距離から。QRコードの12倍以上の距離で読み取れます。 2、高速の読み取り速度。コードがカメラで読み取る距離に入ると、0.03秒の速さで読み取れます。 3、広角での読み取り。上下左右160度から読み取りが可能です。 4、照度環境への広い対応。薄暗い場所でも、アプリがそれぞれの色の違いを見分けられる限り読み取れます。 そして5番目。距離情報の正確性。コードからスマホまでの距離を数センチの誤差でお知らせします。 最後に6つ目。フォーカスが不要です。QRコードの読み取りのように、スマホの画面上に現れるフレームにコードを収める必要はありません。 このような特徴から、目が不自由なユーザーはスマホのカメラで周りをスキャンするような動作でコードが読み取れるようになります。また、コードの情報はリモートで変更できます。 1度設置したコードの内容を変更する際にコードを付け替える必要はありません。 次に、アプリについてお話しします。 まずは視覚障害者ユーザーに向けたアプリNavilensです。このアプリは、音声でコードに関連付けられた情報を発信します。 方向情報や距離情報を音声ガイダンスまたはサウンドで発信し、視覚障害者の自立歩行を支援します。画面上にあるコードをアプリで読んでみます。 少し離れたところから検出して、段々と方向情報に従ってコードに近づいてみます。コードを検出した時点で「カチッ」というクリック音が鳴ります。 その後、コードに付けられている情報を読み上げて、その後コードにだんだんと近づいていっている様子をお聞きください。 「視覚障害者に力を与える。これはNavilensのサンプルコードです。 20センチメートル(8インチ)のコードで、最大12メートル(40フィート)離れた場所から最大160度の角度で焦点をあわせたりフレーミングしたりせずに検出できます(革命へようこそ) 4メートル、3メートル、2メートル、1メートル」 こんな感じでNaviLensのアプリが動作します。 次にNaviLens Goアプリです。NaviLens Goでは、基本的には画面を確認して情報を得ます。また、NaviLens Goの特徴として、多様性機能というものがあります。 これは、ユーザーの必要に合わせて情報を取得する方法を選択できる機能です。手話ビデオやピクトグラム、簡易テキスト、子供向けコンテンツ、車いすユーザーに向けたアクセスルートの表示などがあります。 アクセスルートの表示は、同じコードを読んでも車いすユーザーが利用できるルートを表示させる機能です。これら2つのアプリは、世界36言語の自動翻訳機能が使われており、 どの国のコードを読んでもお使いのスマホの設定言語で情報が得られます。日本以外でアプリを使用しても、情報が日本語で得られます。 ユースケースの方です。後からもしかしたら北山さんの方からも話いただけるかもしれないんですけれども、少しだけご紹介させてください。 屋外では、バス停や街の道標識、観光名所の説明看板などに利用されています。屋内では、地下鉄駅や博物館などの施設で利用されています。 交通機関でのコードは、リアルタイム情報が発信され、バスや電車の発着状況も発信します。また、近年では消費製品にもコードがつき始めています。 NaviLensは複数のコードを一度に検出するので、スーパーの商品棚で、欲しい商品を触れずに探すお手伝いもできます。 みなさん、ぜひアプリを利用してみてください。公共の場所で利用する機会があるなしにかかわらず、ぜひパーソナルコードを利用していただきたいです。 パーソナルコードはアプリから無料で取得することができます。アプリのメインメニューから「行動取得」をタップし、パーソナルコードを申し込んでください。 お申込のメールアドレスにさまざまなサイズの約1000ほどのコードがPDFファイルで届きます。これは、みなさんがご自宅で利用するものなどにコードを張り付け、必要な情報をアプリで記入して利用します。 日本のあるユーザーさんがコスメにつけて利用されている画像を送ってくださいました。どんなコスメか聞いてみてください。 「23センチメートル先、口紅。マスクで落ちないタイプ。赤。」 こんな感じでお使いのCDやタッパー、お洋服をかけたカバーとか、冷蔵庫に入れる飲み物など、さまざまなものにコードをつけて利用してみてください。 使い方については、NaviLensのYOUTUBEチャンネルや日本ライトハウスさんのニポラチャンネルで詳しく紹介されています。リンクは後ほどアクセス別のWEBページに載せていただきたいと思います。 パーソナルコード以外にすべての人が同じ内容を読む無料コードのキットもあります。こちらは弊社のウェブサイトの無料タグキットから、またはアプリの「コードを取得」からでもお申し込みいただけます。 現在、学校、アソシエーション、保健所の3つのセットがあります。これらのコードにはすでに基本情報が入っています。内容は変更できません。 ご利用の施設で利用できそうなコードがあれば、ぜひ利用してみてください。最後にNaviLensに関するご意見やご要望。ご質問などどうぞお気軽にお問い合わせください。 今、画面上にNaviLensのコードの中にQRコードが内蔵されたNaviLensの新しいコンセプトのコードが表示されています。 このコードはNaviLensユーザーであれば、アプリでQRコードを読み取ることができ、そうでない方はQRコードを直接視認してスマホのカメラで通常通り読み込んでみてください。 弊社のウェブサイトに飛びます。お問い合わせはこちらのメールアドレス info@navilens.comです。どうぞ気軽にお問い合わせください。ありがとうございました。 伊敷:安藝さんありがとうございました。素晴らしいですね。後ほど少し質問させていただきたいと思います。続いて「あしらせ」を提供しております株式会社Ashiraseの千野さんお願いします。 千野:それではお話しさせていただければと思います。お時間いただきます。改めまして株式会社Ashiraseの千野と申します。よろしくお願いします。私たちはちょっと変わったナビゲーションを作っていまして、 靴に取り付けた機器がその中で振動して足元に、どっちに進んだらいいのかとか、そういった振動の誘導情報というのが伝えられてくるナビゲーションを開発しています。 こちらはスマートフォンのIPHONEと連携して使うものになっています。私達は今、組織としてはおよそ2年前に創業して3期目に突入したところなんですけども、 10名ぐらいの組織で、業務委託の人をいれると20名ぐらいまではいってるんですけど、まだまだ小さい会社なので、どんどん出てこれからも開発していきながら、 組織も大きくしていきたいなと思いつつ、世界に向けてどんどん出していきたいと考えている企業になります。 元々、私たちの発端がホンダ発スタートアップであり、私自身がホンダの自動運転などのエンジニアをやっていたんですけども、 身内の事故をきっかけに歩くこととテクノロジーを掛け合わせて何かできるんじゃないのかということで、視覚障害者の方向けの開発を5年ぐらい前から進めていて、2年前に創業したというような流れになっています。 「電柱を数えていたら、田んぼに落ちてしまって血だらけになってしまった」という広島で出会った方がいたんですけども、 「あしらせ」のコンセプトとしては、特徴的なところがこのコンセプトにあるなと思っていまして。 まさに今どうしようかと思ってるところでもあるんですけど、視覚障碍者者の方の歩行はやはり白杖歩行、そして聴覚、保有視力ある方は視覚、あと足の裏など安全にまつわる情報はたくさんいろんなインターフェースから取っていらっしゃる。 一方で、単独歩行される時には曲がり角とか、どういう風に歩いていけばいいのかというルートの情報もスマートフォンであったり、 人に聞いたりしながら本当にたくさんの多くの情報を同時に処理して忙しく歩いているという中で、どうしても意識がこっちに行ったり、あっちに行ったりしてしまうところで安全の意識がなく落ちてしまったり。 例えばホームもそうなんですけど、足を踏み外して落ちてしまうとか、車に気付かなくて轢かれてしまうとか、自転車にぶつかってしまう。 そういったことが起きていると言われているので、私達としては今、立てているコンセプトは「道順の情報」に特化して、こちらを無意識的に直感的に知っていくことで、そちらに意識をとらわれないようにしていく。 そして、みなさんが安全確認に集中して歩いていける環境を作れないかっていうコンセプトで、「信号を教えます」とか、「障害物を教えます」というダイレクトに「安全」についてではないんですけども、 間接的に安全歩行がサポートできないかというコンセプトで進めているサービスです。 なぜこういったコンセプトを作ったかというと、一つは私達と仲良くさせていただいている当事者の方が「やれることをどんどん増やしたい」という全盲の方がいます。 「できる限り人に頼りたくない」とおっしゃられていた。あとは壊れてしまった時にも邪魔にならない。今まで通り何とかなるっていう状況にしてほしいとかです。 そしたら全ての安全能力をそこに集約するのは違うんじゃないか、システムに集約するのは違うんじゃないか。そういったコンセプトで全てを「あしらせ」がやってあげるというスタンスではなくて、 両者が一緒に作り上げたい世界観を作れないかなというコンセプトになっています。 「あしらせ」は玄関で靴に取り付けてあるので、普通に靴を履いてあとはスマートフォンが自動的に接続されるので、 基本的には機械の方は全く最初以外は触れずに、スマートフォンで目的地を設定して歩き始めたら振動がスタートしていく形で動いています。 主な機能としては、モーションジェスチャーという機能で、スマートフォンを触らずカバンとかポケットに入れたまま、ナビゲーションをコントロールすることができます。 あとは実際の誘導情報は振動が足の甲とか側面、かかとなど合計で左右6カ所振動する場所があるので、その振動する場所を使って自分の向いている向きに対して進む方向を教えてくれたりとか、 曲がり角までの距離感を教えてくれたりとかします。 曲がり角でどちらに曲がっていくのか事前に準備ができるような形で、右に行くんだったら右に寄っておこうといった準備ができるような形で、右側を振動させたりとか、 距離感は振動の感覚というかテンポを変えることで距離感をお伝えしたりします。そういったちょっと習熟がどうしても、振動というものなので必要になってくるんですけども、 1週間ぐらい自宅の周りで練習していただいて、習熟して歩いていただく形で、使っていただいているインターフェースになっています。 「あしらせ」の特徴としては、基本的にはスマートフォンを持たずに歩行できるところを一番みなさん価値として感じていただいています。 視覚とか聴覚を邪魔しないとか、騒音が大きい場所でも使える点。また歩きスマホとして周りから見られないというか、周りのことを気にしないですむ。 あとは夜間でも利用ができたりとか。結構僕はこれが一番かなと思うんですが、スマートフォンバッテリーの消費電力が非常に低いところが特徴としてあります。 既存のスマートフォンアプリの例えばグーグルなどに比べると6倍くらい電池持ちがスマートフォンでは良くなることが特徴としてあります。 今、先行販売モデルとして150台くらい販売させていただいたんですけど、実はすごい今トラブルに見舞われていましてみなさんにご迷惑をおかけしながら、でも改修して修理するということをやっています。 ハードウエアとしての故障が起きてしまっているんですけども。やそういったところは早急な改善のかようであったり、当面のコミュニケーションはさせていただきながらみなさんの声をいただきつつ、 今後起きないような体制というものを作っていこうというのが、現在1つ目の課題です。 課題は今大きく3つあって、それをお伝えして今日終わりにできればなと思います。 2つ目の課題というのが先程言った習熟の問題で、振動理解をいかに早くできるかとか、いかに分かりやすくできるかというところがお声としていただいているところであるので、 今、修理のタイミングに合わせて修理終わったら、すぐそちらが解決できているような状況にするために、ソフトウェアのアップデートというのを行っています。 あと最後の課題はナビゲーション自身の中身の改善で、本当にみなさん、120名ぐらいの方に使っていただいているんですけれども、そこらの徹底的なヒアリングとデータの解析を行ないまして、 6月末にはいろいろなところがアップデートできるような形で進めています。僕らとしてはスピード感を持って開発していくところがスタートアップとしては一番の僕らの持っている能力だと思っているので、 そういったところを粘り強く改善し続けていけたらと思っています。以上になります。ありがとうございます。 伊敷:千野さん、どうもありがとうございました。コンセプトを考えるところからすごく丁寧に深く考えられて作られているのが伺って理解できました。ありがとうございます。また、この後、質問させてください。 では3番目ですね。アイコサポートというサービスを提供していただいています株式会社プライムアシスタンスから 藤田さん、そして藤井さんのお二人です。よろしくお願いします。 藤井:アイコサポートの藤井です。よろしくお願いします。私自身は視覚障害者で全盲です。ただ人生の半分以上はみなさんと同じように見えていました。お洋服の販売員の仕事をしていたのですが、 ある日階段をよく踏み外すようになったりして、ちょっと目の調子が悪くなってきたんです。そこを境にどんどん見えづらくなっていって、接客業というお仕事を続けるのは難しくなってしまったので、お仕事は諦めることにしました。 その後もどんどん目の見えにくさは進行していきました。できていたことがどんどんできなくなっていくんですね。もう喪失感に日々襲われながら、ふさぎ込むような生活を送っていたんですが、 辛かったのは自分だけではなくて、ふさぎ込んでいる私を見ている家族や友達を傷つけているんだということに、とても長い時間がかかったんですが、気づきまして、自分を変えなくてはいけないと、生活のための訓練を始めました。 歩行訓練をはじめて、できないことの方が少ないということを学んだんですね。日々気持ちが向上していく中で、ちょうど企画段階のアイコサポートのインタビューを受ける機会がありました。 そんなに困り事はないかなっていう話をさせていただいたんですが、もしかしたら無計画にふらっと出かけることは諦めてたかもしれないということに気づきました。 アイコサポートのサービス内容を聞いて、もしかしてふらっと出かけたりすることがかなうのであれば、視覚障害者の私たちの生活はもっと豊かになるのではないかという可能性をすごく感じました。 現在私は当事者としての目線で開発に携わっています。アイコサポートのサービス内容を藤田さんからお願いします。 藤田:アイコサポートは、専門のオペレーターが今見たい、知りたい情報を声でサポートします。お客様のスマホカメラからの映像をオペレーターに供与するとともに、 GPSの位置情報も共有されます。本当にスムーズにサポートをできるのか、また本当にプロのオペレーターである必要があるのか、正直に申し上げますと最初はずっと試行錯誤の連続でした。 目で見た情報を主観を伴わずに言葉で説明するというのは、想像以上に難しく、初めて藤井さんからOKをいただいた時は、思わず手をたたき合って喜んだのを覚えています。 安心してご利用いただくために、オペレーターは視覚に障がいのある方をサポートするための専門の研修を受けています。 また、お客様のプライバシーを守るべく厳重な管理体制をとっており、外部機関の認証も取得しています。アイコサポートを運営するプライムアシスタンスはSOMPOグループの一員です。 損保ジャパンの自動車保険のロードアシスタンスを年間70万件手配しているコールセンターの経験豊富なメンバーが心を込めてご対応します。 ご利用は簡単で、アプリをダウンロードして会員登録すると、朝の9時から夜の9時まで年中無休でご利用いただけます。毎月、月額5,500円で2時間まで回数制限なしでご利用いただけます。 また、サービスの価値をまずは感じていただきたいので、ご加入いただいた月とその翌月は無料でご利用いただけます。例えば、知らない人には見せたくない個人情報満載の書類の確認もできますし、 自動販売機で「水が飲みたいのにコーラが出てくる」といった時にアイコサポートが飲みたいものを一緒にお選びします。 お客様からは嬉しいお言葉を頂いていて、「アイコちゃんがいると勇気が出て躊躇していたことに挑戦できた」「新しいことにチャレンジしたい」「外出したい」アイコサポートは視覚に障害のある方が もっともっとワクワクして生活できる世界を目指しています。そのために企業や自治体と連携しながら、フリーエリアの構築を通じて情報バリアフリーな世界を目指します。 最後にみなさんにお願いがあります。アイコサポートはみんなでがんばって構築しているんですけども、まだまだ実際に体験いただいたり、ご利用いただいている方が少ない状況です。 そこでぜひみなさんにシェア・拡散をしていただいて、誰もがもっとワクワクする社会を一緒に作っていきましょう。Google Searchとかで「アイコサポート」と検索してみてください。アイコサポートでした。 伊敷:藤田さん、藤井さんありがとうございました。視覚障害者向けの支援サービスの運営側に実際に当事者がいらっしゃるというのはすごく頼もしいことだと思いますね。 もちろん、被験者、あるいはモニターとして視覚障害のある人を巻き込んでサービスの開発や運用を進めていくということも大事ではあると思うんですけれども、 やはり中の人として当事者がいるというのはかなり頼もしいんじゃないかなと思いました。ありがとうございます。ではナビレンスさんAshiraseさんアイコサポートさん3社それぞれサービス紹介いただきました。 ありがとうございました。少し僕の方から質問をさせていただこうかなと思うんですけれども、まずはナビレンスさん、日本での導入に関して今こんなところにあるということを教えてもらえると嬉しいです。 安藝:日本のNaviLensの設置実装の状況について、もしよければ北山さんの方からお話しいただけますか。 北山:ありがとうございます。日本では今、神戸アイセンター、神戸の地下鉄、地下鉄三ノ宮駅、ポートライナー三ノ宮駅、JR三ノ宮駅にも少し設置されています。 それから、今 休園中なんですけども、実は静岡県のクレマチスの丘、九州国立博物館、あとは東京の済生会中央病院などでさまざま実証実験は各地でされてきました。次は羽田空港に5月30日から試験設置される予定になっています。 伊敷:5月30日からですか。 北山:5月30日は主に空港事業者に向けた説明会や体験会なんですけど、それから一か月間設置されたままになるのでみなさんにもご体験いただけるようになります。そこには実は今回出ていらっしゃらないんですけども、 sikAiさんであったり、コード化点字ブロックさんであったり、AIスーツケースも発表と試験設置、体験会をされる予定です。 伊敷:なるほど。素晴らしいですね。ありがとうございます。お話を安藝さんと北山さんのお話を伺ってて、僕自身も実証実験で体験させていただいたこともあるんですけれども、個人的にすごくここにあったらいいなと思うのが自販機です。 自販機ってやっぱりどこにあるのかさっぱり分からない。よく通るところだとブーンという音がしているので、「あ、これ自販機かな」と思って近寄っていくとやっぱ自販機だった、 みたいなことはあるんですけども、もっと「自販機だよ」っていうことを教えてほしいなと思って、自販機に近づくと、何メートル先に自販機がありますとに言ってくれたらうれしいなと思う。 あと、やっぱり各商品の横にもNaviLensが貼ってあって、お茶はどれかとかポカリスエット飲みたいなって飲みたいものを飲めるようになったらうれしいなと思いましたね。 北山:すみません、抜けていました。自動販売機の実証実験もしていまして、神戸アイセンターとポートライナーの医療センター駅でもしています。医療センター駅のホーム階と改札階に設置されているのですけど、そこの自動販売機にも設置されています。 伊敷:そこだと僕は飲みたいものを買えるってことですね。 北山:あと、日本ライブハウスでも実証実験していまして、アサヒ飲料と一緒にさせていただいているのですけども、そこでは実際にヒアリングもさせていただきまして、 ほとんどの方が「自動販売機で、これだったらジュースを買えます」とおっしゃってくださいました。 伊敷:すばらしい。ありがとうございます。ぜひ東京にも進出してください。 安藝:自動販売機ではないんですけれども、今、消費製品、食品とかスーパーに売ってるもののパッケージがわりと実装が進んでまして、 もしかすると自動販売機自体にコードがついて自動販売機に並べられる商品にもコードがついていると一つ一つの商品を確認して買うことができるようになるかもしれません。 伊敷:なるほど、それは楽しみですね。 安藝:私も楽しみです。 伊敷:ありがとうございます。では続いてはAshiraseさんにご質問をさせていただきたいんですけども、今までスマホを使った視覚障害者の移動支援というと、 スマホ自体から音声が流れてカーナビみたいにナビをしてくれるサービスが多かった中で、歩いてる途中、歩きながらもスマホは使わなくていい、普通に装着した端末で、振動によってナビをしてくれるのは すごく画期的だなと思ったんですけれども、どんな風にして思いついたんですか。 千野:これは結構試行錯誤が何回もあって、いろんなところを行ったり来たりして、今に至るんです。一番最初は全然コンセプトも違って、仮想的に点字ブロックを靴の中に入れられないかと。実は最初は靴の中だったんですけど。 でも、「リアルの点字ブロックが感じられない」「足の裏は神経が遠いので鈍くてよく分からない」とかいう意見がありました。そもそも点字ブロックはリアルなやつが感じられなくなると困る。 どこは困ってどこが困らないインタフェースなんだろうという話になって、そこからいろいろ聞いてた感じですね。そうすると「手は私達の目なんです」という方がいたりとか 「反響って分かりますか?」みたいなことを言われたりとか、症状によっても使われている部位って違うと思ったんですね。こうなったら全部、視覚障害者が弱視だろうと全盲だろうと、 みんなが使ってるところは全部避けてやろうっていうので、その中で一番伝えやすいところはどこなんだろうというのを、鎖骨とか腰周りとかいろいろ探っていきながら、今のところになったような形になります。 伊敷:いや、すごい興味深いです。 千野:あとは一つだけあるのが、生活の中で、ハードウェアを作るのはみなさんあんまりやられてないことだと思うんです。NaviLensさんはある種、ハードウエアになるんですかね。 ものはあるっていう状態だと思うんですけど、基本的にはスマートフォンのアプリでやられている方は非常に多いと思っていて、NaviLensさんもどちらかというと、スマートフォンアプリの方が中心にあるのかなと思ってるんですけど。 やっぱりハードウエア自体を管理されるのもすごい大変だということもあったので、実は腰回りと最後まで迷ったんですけど、靴に着けとけば脱ぎ履きしたら靴と一体化してるから靴として扱われるんじゃないか 管理が楽になるんじゃないみたいなところがあるんじゃないかというところが今の形に至った最終的な決め手だと思います。 伊敷:なるほど。ありがとうございます。その振動のパターンとか目標物が近づくとテンポが速くなっていくところは、実際にユーザーにヒアリングをして進めていった感じですか? 千野:そうですね。基本的には最初は全然違うパターンだったんですけど、そこにユーザーの意見を聞かせていただいて変えていったところです。 また大幅に変えようと思っているんですけど、そこもユーザーの意見で、常に何が最適かとか何が一番わかりやすいかというところは今後もたぶんやっていきそうな気がすると思ってます。 伊敷:そうですね。先程振動の習熟が課題の一つだとおっしゃってたんですけれども、多分たくさんの情報を伝えたいと思うとパターンを増やすとか、細かい振動で伝えたくなるんだと思うんですけど、 そうするとやっぱり習熟が難しくなるのかなと、そこのバランスが難しいなと思ったんですよね。 千野:まさにそこも今はコンセプトを改めて、安全情報とか、安心するための情報とか、情報の頻度やいろいろな中でルートの中でどういう情報があるのかというのが出たらいいかというのを今並べて、どうすべきかパズルみたいにやっています。 伊敷:ありがとうございます。6月末にアップデートでしたっけ? 千野:そうですね。アプリとしては、6月末ぐらいを目途に今そこを目標に修理をがんばっているので、ちょっと伸びる可能性あるんですけども、そこに合わせてできたらいいなと思います。 伊敷:ありがとうございます。楽しみにしてます。そしてアイコサポートさん、藤井さん、藤田さんですけれども、先ほどお話した通り、この運営の中の人に当事者がいるってすごく頼もしいかなと思っていて、 特にお話を伺ってた中で、プロのオペレーターが対応するところ、オペレーターがプロである必要があるっていうところです。 恐らくその視覚障害のある人とあまり話したことがない人が通話したとしても、正確な情報を短い時間で伝えることはかなり難しいと思っていて。 そういうことができるようになるためのトレーニングとか、教材作りは藤井さん藤田さん、どんなふうにされてるのかなと思ったんですけど、いかがでしょうか。 藤井:主にご利用者様にわかりやすくご案内するための研修を行ってるんですけども、私は中途の全盲なので、もちろん先天の方、ロービジョンの方、全盲の方はそれぞれ欲しい情報はさまざまだと思うんですね。 なので私を基準に全てを構築してしまうと、また変わっていってしまう。なので、伝える表現に重点を置いて研修は行っています。 例えば、「階段です」だけではわからないんですね。視覚情報がある方は、「これ」とか「それ」とか「あれ」とか、「そこに階段があるよ」で、もちろん通じることなんですけど、私たちは上りなのか下りなのかがとても重要で。 そういったことを必ず伝えなきゃいけないということを日々、私が外を歩きながらオペレーションをしてもらってフィードバックを重ねています。 あとはせっかくコミュニケーションが取れますから、もっと「こうしてほしい」「ああしてほしい」ということはご利用者様とコミュニケーションを取りながら合わせていけば、もっとご案内って伝わりやすいと思うんですね。 その方に、合わせたご案内ができると思うので、コミュニケーションを取っていきましょうということも重点を置いていますね。 コンタクトセンターでは自動車のトラブルのお困り事のお電話の受付をしていますから、その品質はかなり元々高いものがありまして、そこのベースはできていた。 やっぱり視覚障害者の方と触れ合っている方ってほとんどいなかったので、私が初めてっていう感じでしたので、密にコミュニケーションを取りながら 「あまり情報多すぎても逆にわかんないんだよ」「イメージしづらい」ということを伝えながら、徐々に「こういう表現が案内しやすい」というのを今もまさに研修を日々積んでおります。 伊敷:なるほど。ありがとうございます。自動車保険のコールセンター業務の中で、お客さんは車の運転をされている方々ですから、その車のトラブルとか事故に関する情報をお伺いするということですよね。 その中で、電話口でヒアリングをする能力とか、事故やトラブルの詳細を的確に聞き出すヒアリング能力は、そもそも日々の業務の中で培われていたっていうことですね。 藤井:そうですね。そこは存分に生かせるものなので、このアイコサポートを立ち上げたところにもそこに繋がるんです。 伊敷:いや、これはすごい興味深いですね。保険会社さんがこういうサービスを始めたっていうのはどういう経緯なんだろうなという風にずっと思ってたので、お話を伺えて良かったです。 トレーニングをしていく中で、失敗談とか成功した話とかありますか。 藤井:いや、もうそれは山ほどで。本当に元々当時の開発した者が同行援護をやっておりまして、視覚障害者の方と一緒に歩いているとお買い物してもいつも同じものを買ったりとか、 あんまりこう冒険をしない、凄く能力があるのに発揮するシーンがないということを深く感じてくれたんです。それで新事業を立ち上げるにあたって、コンタクトセンターを活かしてアイコサポートを開発したんです。 私が携わるようになって、先ほどもお話ししたように、ほぼ視覚障害者の方と触れ合ったことがないオペレーターの方が多かったので、まずは雑談から始めるような感じでした。 もちろん同行援護の資格も取得して、私と一緒に外を歩くとか、まず視覚障害者の人はどんなことを感じているかというところから始めました。 みなさんが感じていただいたのは「何もできないって思いがちだけど、結構できる。情報さえあれば何でもできる」ということに気づいてくれたんです。 そこから案内で「こういうことを伝えるといい」というところから始まった。失敗はほんとにGPSの情報があっても目的地と逆に案内しちゃうとかそういうこともよくありました。 それで焦ってしまって「どうしよう」とか、「こういう場合はどうしたらいいんだろう」とか、もうそれは試行錯誤の中でですね。全然案内が目的地に辿り着けないとか、探しているものが全然見つからないとか、そういったことはよくありました。 ただ、やはりもちろん正しい目的地にご案内するのが最大のミッションですが、全部オペレーターの方一人でがんばる必要はないのかなと私は感じています。 私たちは耳とか、弱視の方はなんとなく風景がちょっと見えたりするので、今どんな場所にいるか、何が聞こえるかというコミュニケーションを取って「エスカレーターの音が聞こえます」と言ったら、 それがランドマークになって、オペレーターはネットとかで調べたりとかできる。 そこがきっかけになって正しい道を、ご案内できたりすることがあるので、コミュニケーションを深めていくことが一番そういったことで目的地にたどり着けるのがすごくうれしいですね。 コミュニケーションとりながら達成できるのは一緒に達成できたっていうがんばりが一番研修を重ねていても嬉しいですね。 伊敷:ありがとうございます。僕も今朝アイコサポートさん初めてトライアルで使わせていただいて、賞味期限をちゃんと見ることができまして、 すごいスムーズにオペレーターさんご案内してくださるんですね。最初に「サラダチキンの賞味期限を見てほしいんですけど」って言った時、僕逆さまに持ってたみたいで、 そのことをすぐに「逆さまですので、反対に持ってもらえますか」と言ってくれて。そうすると、どの辺に「賞味期限が書いてあります」ということまで教えてくださって、すごく参考になりました。 良かったです。賞味期限前に捨てなくて良かった。 藤井:良かったですね。 伊敷:ありがとうございます。3社それぞれサービス紹介いただいて少し質問などもさせていただきました。ありがとうございます。 ここから少しフリーにお話できたらなというふうに思うんですけれども、Ashiraseさんは主に屋外を歩いて目的地、建物まで到達するというところまでナビしてくださる。 NaviLensさんは例えば屋内は先程博物館の中とか病院の中にNaviLensありますとお話しいただきましたけれども、屋内のナビをサポートしてくださるというところですね。 そして、アイコサポートさんは迷った時に正しいところに道案内してくださるとか、あるいはそれ以外にも、例えば洋服の色を見てもらうとか、さっき僕がお話ししたみたいに、 賞味期限見てもらうとか、どっちがカレーでどっちがシチューとか見てもらうこともできるのかなと思っていて、3社それぞれ違うアプローチでサービスを提供してはいるんだけれども、 それぞれ連携すると、より僕の生活が便利になるかなって勝手に思ってるんですけど、こんな風な連携できたらいいみたいなところは考えていたりしますか? 安藝:これ私から始めましょうか。 伊敷:安藝さんお願いします。 安藝:そうですね。どのテクノロジーも、どのサービスも得意分野があって、それを生かせるところでユーザーが選択して使っていていただければいいと思います。 NaviLensはデジタルサイネージという形で看板のような役割を果たしています。その看板に向かうには、例えば「あしらせ」とかアイコサポートでのサービスを利用されて看板が認識できるところに来れば、 うちのサービスを使っていただくということもできますし、そうでなく看板だけで行くんだというのであれば、NaviLensだけで、そうではない「あしらせ」で行くんだ、 アイコサポートで行くんだっていう選択肢があればいいと思うので、そういったオプションを提供できるようにみなさんと一緒にやっていければと思っています。 伊敷:選択肢が増えるのはすごく豊かなことだなと思いますね。例えば「あしらせ」で目的地に辿り着きましたっていうところで、近くにNavilensがあるので、アプリを起動してくださいみたいなアナウンスはすぐできたりしますか? 千野:そうですね。もちろん僕らとしてはそういった屋内の入り口とか、非常に大きな課題を持っていると思っていますし、 ただやっぱり「あしらせ」ってだけでは今のところそういったところをフォローしきれないっていうところも現実にあったりします。どういった形態がいいかというのは、いろいろな議論があるかなとは思うんですけども、 結構安藝さん派で選択肢が増えるっていうところがいいかなと思います。統一アプリみたいな形よりは各社のところにユーザーの方が選んでいただける、 そのために僕らが適切に情報をしっかりと出さていただく関係性がいいと思うんですけど、会社としてもいろいろなところと連携して、より別のアプリなんだけど、 アクセスしやすいとか、そういった連携はどんどん進めていけるんじゃないかなと思います。そういったところはいろいろな会社さんと前向きにお話できたら嬉しいなと思っています。 伊敷:ありがとうございます。アイコサポートさん。この他のサービスは、「あしらせ」Navilensはじめ他社のサービスとの連携はどんな感じですか。 藤井:はい、当事者の私としては、もちろん選択肢が増えたことが私たちの生活を豊かにしているのは間違いないです。選択する自由があるじゃないですか。自分に合ったものを使える。 ただみなさんが感じているのは、一つのアプリやサービスで完結するものは今はない。一つで完結するものがみなさんたぶん欲しいと思っているみたいなんですよね。 それが理想なんだと思うんですけれども、ただ私が感じるのは、やっぱり人によって合うもの、シーンによっても使えるツールはさまざまだと思うので、やっぱり一つのもので完結してしまうよりは 選べる自由があった方が、私たちの生活ってもっと可能性は広がるんじゃないかと思います。無理に繋げる必要はないと思うけれども、ただ理想としてはやっぱり連携がスムーズにいくような、 1個でなるべく事が済むアプリはみんなたぶん望んでいるんだろうなって思います。システムの連携の難しさはあると思いますけど、アイコサポートでいうと、私たちは人の目を借りたい瞬間というのは必ずあるんですよね。 なので、そういう意味ではどのサービスやアプリにもアイコサポートはマッチすると思うので、連携したいというところがあればもうぜひ。 藤田:API連携でリンクを張ることだったらできますね。 伊敷:そういうすぐできそうなところから手を付け始めるのはすごい大事ですよね。ありがとうございます。そうですね。例えば屋外では「あしらせ」で目的の建物まで辿り着いて、 その中はNavilensを頼りに、例えば服屋さんに行って服屋さんに辿り着くとアイコサポートのオペレーターさんに見てもらいながら服を選べるみたいなことができたら、僕は便利かな。 僕自身、こないだ服を買いに行ったんですけれども、店員さんにいろいろサポートしてもらったので、一人の店員さんを1時間近くを独占しちゃった感じなんですよね。 これってすごく気が引けるので、ちょっと最後急ぎ気味に買ったりしちゃったんですけども、たぶんこういうことが減るんじゃないかなと思います。あと、さっき藤井さんもおっしゃったと思うんですけど、 毎回同じようなものを買ってしまうのも、もっと減って、自由に例えばお散歩ができたり、ウインドーショッピングがしやすくなったりするのかなと思いますね。ありがとうございます。 それとですね。ぜひお話を伺いたかったことが、あと2つあります。 一つは今回みなさん基本的にはスマホを使って目的地を登録する、スマホからアプリから通話をする、スマホでコードを読み取るというように視覚障害者がスマホを使うという前提で、サービスを提供されていると思います。 一方でスマホをまだ使いこなせていない人たち、あるいは「スマホなんて使えるの」って懐疑的な思いを持っている人たちもまだまだいらして、こういうユーザーのリテラシーの差をどう解消していくのがいいかと思っています。 僕自身も普段からスマホをIPHONEを使ってるんですけども、もうなしでは生きていけないぐらいなんですよね。だけど、この便利さをもっと多くの人に伝えたいなと思っていて、 どんなことができそうかなというのをぜひお話したいと思うんですけども、では千野さんからふってもいいですか。 千野:非常に難しい話なんだろうなと、まず思います。うちの親もスマホになるまで、すごい時間かかって、でも今は楽しそうに使ってゲームばっかりしてますけど、 やっぱり今僕がエンジニア出身の身として思うのはスマートフォンはどこの会社も今後テクノロジーを用いた視覚障害者の支援というのをやっていく上では、ほぼ必ず使われるんじゃないかな。 必ずというとうそかもしれないですけど、多くの企業はほとんどの人がスマートフォンをまず考えて、そこを中心にプロダクト製品を検討するんじゃないかと思っています。 それほど自社のリソースを使わずに価値のあるサービスを提供できる媒体になっているからだと思うんですね。なのでやっぱりもうそこは避けて通れないんじゃないかというところが個人的な主観としてはある。 なので、もうそういう未来が必ず来るんだという前提で、学ばなかったらそれは使えない。ただ、それはそれでいいと思うんですね。トラディショナルというか、 今まで伝統的に行われていたような福祉のサービスも世の中にはいっぱいあるので、そういったところをお使いいただいて今までと同じように生活いただくっていうのも一つの選択肢だと僕は思う。 それこそそこで「じゃあそういう未来が来るんだったらチャレンジしていこう」って思って、ここでがんばろうと思われる方はそれはそれでいいと思います。そこも選択になってくるのかなと私としては思っております。 伊敷:ありがとうございます。確かに、もうスマホを前提としたサービス提供は、障害のあるなしに関係なく、そういう流れになってきてますよね。それはたぶん僕も止められないんじゃないかなと思います。 ありがとうございます。アイコサポートの藤井さん、藤田さん、ユーザーのリテラシーについて思いとかあったりしますか? 藤井:そうですね。私自身もちょうどガラケーを使っていた時に見えにくくなって、その見えにくくなってる途中にスマホが世の中に出てきたんですね。もう私は一生使えないと思っていたので、 「IPHONEってしゃべるんだよ」っていうのを聞いて練習して使えるようになりましたが、結局今まで使っていたものが使えなくなって新しいものにチャレンジするっていうところがやっぱりすごく見えにくい、見えない中でやるのはすごく大変でした。 ただその先にどんなことが待ち受けてるかを知らないから、チャレンジできないんだと思うんです。こんなに情報を取れるんだよ、こんなに生活が豊かになるんだよっていうのを知ると、たぶん挑戦する意欲が湧いてくると思います。 IPHONEを触った時に触覚が、ボタンがないとかそういったことが、やっぱりやる気をなくす要因だと思うんです。そういうのも外付けのガラケー仕様で使えるような、外付けのデバイスとかも世の中に出ているのがあります。 福祉の機器で。そういったこともたぶん情報が届いてないのかなと思います。 私たち開発側としては、やっぱりすごくユーザーが使いやすい、簡単な、あんまり複雑じゃないもの大前提だと思います。こんなに楽しい生活が待っているんだということが届けば、もっとみんなトライできるのかなと思います。 あとは当事者が当事者を教えるネットワークもできてはいたんですけど、コロナ禍でちょっと縮小してしまったりしたようなので、また復活はしてると思いますし、あとは地方とかでは、 そういうのがもしかしたら届きにくいかもしれないと思うので、自治体とかで教室とかが行われれば、もっといいのかなと思います。 伊敷:当事者同士で教え合うコミュニティー活動が全国的に盛んになるといいですよね。 藤井:なかなかそこは、対面じゃないと難しいようで。なのでコロナ禍で縮小しちゃったみたいですけど。 伊敷:ありがとうございます。チャレンジした結果として、こんな風に便利になるんだよとか、こんな楽しいことがあるということを丁寧に伝えていくってのはすごく大事なことだなと思いましたね。 ありがとうございます。Navilens 安藝さん、いかがでしょうか。ユーザーのリテラシーについて。 安藝:私もお2方とほぼ同意見なんですけれども、NaviLensの方は必ずスマートフォンを使わないといけないというところがありまして、スマートフォンのアプリでコードを読み込んで情報を得られるという形になっています。 スマートフォンの利用は、千野さんがおっしゃったみたいに、利用するしないというのが選択肢の一つだと思うんですけれども、うちの方はそのスマートフォンをちょっとでも触ってみようかなという方がいらっしゃって、 NaviLensの方をちょっと試してみようかなっていう方がいらっしゃるとすれば、そこに試す材料としてパーソナルオーダーや、無料コードを配布してますので、ぜひそちらの方を利用して、ぜひ慣れていただきたいなと思っています。 使われた方は「こんな風に使ったよ」みたいなことをNaviLensの方でも結構ですし、あとNaviLensの使っているいとボランティアの方で作ったユーザーグループがありまして、そこで意見交換もしていただければ、もっと楽しくなるのではないかなと思います。 伊敷:ありがとうございます。そうですね。ユーザーグループの話、すごく大事ですよね。先程の藤井さんもおっしゃってたコミュニティのつながりの話ですね。 すごく大事だなと思います。ありがとうございます。NaviLensはかなり遠くからでもコードを読み取れるので、雑にカメラを向けただけで読んでくれるのはすごくありがたいと思うんですよね。 なので基本的なアプリの起動さえできてしまえば、使い始めるっていうところについてはそんなにハードルは高くないかなと思いますね。 安藝:もし「こんな質問をしていいのだろうか」とか「くだらないことなのかもしれない」と迷われる方がいらっしゃるかもしれないんですが、どんな質問でも、 またはどんなご意見でも喜んで聞かせいただきたいと思ってますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 伊敷:ありがとうございます。こういった移動支援あるいは移動中の情報の提供とか、コミュニケーションのサービスはすごく大事だと思うので、ぜひ継続してサービス提供とか運用していただけたらと思います。 つい先日も別のサービスですが6月末で終了することになって、すごくいい、結構評価の高いサービスだったので、すごく残念に思っていました。継続していくことについてビジネスモデルの話や、 市場のお話、少し大人な話もしたいなと思うんですけれども、ビジネスモデルとか継続していくことについて、それぞれみなさん、どんなふうにお考えがありますか。最初にアイコサポートさんからお願いします。 藤井:はい、じゃあ藤田からお願いします。 藤田:そうですね。またアイコサポートは、個人ユーザー様の向けのプラン向けではあったんですね。今がんばっているのがフリーエリアプランといって、 自治体とか企業の方でアイコサポートを無料で使っていただける場所を提供いただくプランなんですけども、社会全体で看板や情報が当たり前にある世の中で、そこへのアクセスを社会全体でちゃんとエコシステムとして提供する必要があると思っています。 特に最近の私が思っているの同行援護がすごく素晴らしいサービスで、そこにさらに遠隔での遠隔援護とかデジタルのナビゲーションという選択肢が利用者の方に提供されるには、 介護保険とか、日常用具などにさらに選択肢の幅が広がることで、個人の選択の幅も広がるだけじゃなくて生活の質も広がるし、なおかつ、もしかすると予算の方もかえってデジタルとか遠隔を導入することで抑えられるんじゃないかというところで、 ぜひ将来的にそういう概念が入っていくと嬉しいと思っています。 伊敷:ありがとうございます。今、同行援護は公共サービスの一つとして提供されているんですけれども、対面で実際に直接会って同行援護をするだけではなくて、リモートで援護をする、まさにアイコサポートさんのような リモートで援護をするところが、公共サービスとして認められたら、確かによりコストも抑えられて、よりハードルも低くなってサービスを提供する側の人の確保もすごく大事な課題だと思うので、そこもしやすくなるんじゃないかなと思います。 ありがとうございます。 千野さん、継続することについて思いはありますか。 千野:藤田さんが言っていただいたような話は、僕もずっと思っているので、ぜひそういうところが進んでいくといいというのがまず1点あります。 やっぱり株式会社であり、スタートアップっていうところなんですけど、スタートアップって実はほとんど潰れていくんですね。スタートアップの時点で潰れていく会社が多いという状況の中で、 さらにあまり新しいものが長続きしないと言われる視覚障害者のテクノロジー分野というのもあるので、正直きついところに自ら飛び込んだ感覚はめちゃめちゃあるんですけれども。 逆にいうとここは僕次第なところが結構あるかなと思っていて、僕が諦めなければ何とかなるだろうと思っているので、あきらめた時には何か大変だったんだなって思っていただければと思います。 ちょっと頭ひねってビジネスモデルとかも例えば、視覚障害者の方の行動パターンとか、もっと見ていくとか購入の行動とか、みなさんがどういう趣向の変化、価値観が変化しているかとか ビジネス軸でももっと知れることっていうのは僕自身あるだろうなと思います。 視覚障害者の市場はビジネス難しいよねって簡単にするのではなくて、正面からやっていて突破できたらこれほどいいことはないと勝手に思っているので僕らとしては利益が上がれば上がるほど、 社会が良くなっているというのを一つの会社のキャッチコピーにしているので、そういう会社を作っていきたいなと思ってます。なんか所信表明みたいになっちゃってすみませんでした。 伊敷:とんでもないです。ありがとうございます。すごい熱い思いがあって嬉しいです。実はこの情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の第11条に開発及び提供に関する助成などをすることについての規定があります。 それから第11条の2の中にも、今度は利用方法を習得することができるための支援とか、入手のための助成についても条文には記載があるので、例えば先程のユーザーリテラシーの話とか、 サービスを継続的に開発提供していくための支援というのもこの法律では国や地方公共団体が行うこととされています。ありがとうございます。安藝さん継続についてお考えがあればお願いします。 安藝:ビジネスの継続についてはもちろん、企業側が大きな努力をしなければいけないというのはわかってるんですけれども、その努力を目に見える形で見たいというのが、うちの方にがありまして、 例えば4年ぐらい前に初めて日本のユーザーさんからNavilensの方に「使っていますっていう」メールが来た時は、社員全員すごく喜んで良かったねっていう話になって、またやる気が出たみたいな形になったりしてるんですね。 あとはパーソナルコードは最初はの100コードぐらいの配布だったんですけれども、日本のユーザーの方から「100では足りないので、もっと多くしてください」というご要望をいただいて、それではやりましょうということで、 今1000コードぐらいの数になっています。そういった形でユーザーの方からやる気って言ったら変なんですけれども、「NaviLensのアプリを使ってこういうことができました」というお知らせをいただくことで、 うちのビジネスをもっとがんばってやっていこう、アプリを改善していこうという意欲にもなりますので、継続という形で直接的な要因じゃないんですけれども、ユーザーの方にもぜひアプリを改善する協力というか、力をいただきたいなと思っております。 伊敷:そうですね。これはNaviLensだけではなくて、「あしらせ」にもアイコサポートにも同じことが言えると思うんですけれども、やはりまずはユーザーがこういった素晴らしいサービスを積極的に使って しっかりフィードバックをしていくことがすごく大事だと思うんですね。でもちろんその改善点を「ここがちょっと課題だよ」とか、「ここが不満だよ」っていう風なことを伝えることももちろん大事ではあるんですけども、 同じぐらい僕は良い点を伝えることがすごく大事だなと思っています。「ここが良かったよ。」「こんなことができてすごく嬉しかった」っていうことを伝えることで、 開発者サービス提供者の方々へのモチベーションがすごく上がるということもあるし、すごくみなさん不安の中で開発とか提供されているので、不安を少しでも取り除くためにもぜひ良い点をフィードバックしたいなと思います。 それと良い点って、今後も続けて欲しい点ですよね。なので「これすごく嬉しかったから、今後もこの機能を続けてくださいね」とか「このサービスはすごく嬉しいので、ぜひ継続してください」というようなメッセージを込めて 良い点をお伝えできたらなと思いました。 ありがとうございます。お時間も迫ってきましたので、最後にそれぞれみなさん告知ですとか、サービスも宣伝とかあると思うので、ぜひ最後に一言ずついただけたらと思います。NaviLens 安藝さんからお願いします。 安藝:そうですね。みなさんのフィードバックが大きな力となりますので、ぜひお気軽にご意見ご要望、それから辛い意見、甘い意見どちらでも構いませんのでお寄せください。できる限り対応していくのと、 あとみなさんのサポートをさせていただくのが勤めだと思ってますので、ぜひ忌憚ないご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。 伊敷:ありがとうございます。それではAshirase 千野さんお願いします。 千野:ありがとうございました。私たち今先行販売モデルを150台くらい販売したんですけれども、一旦製造自体はここからブラッシュアップという形で、修理を追われているというのがあるんですけども、 次のモデルというのを作って並行してやっているので、また来年の頭ぐらいには次のバージョンをもう少しの数、作っていきたいと思っています。 そのためにも今の不具合とか、ユーザーの方とのコミュニケーションというところから、少しでもブラッシュアップしていきたいと思っています。 ちょっと今、修理対応があるので、実はまだ先行販売モデルも在庫があるんですけど、販売は止めているという状態になっていまして。 もしかしたら数十台残っている在庫を販売するかもしれないので、もしご興味ある方はHPのところにメーリングリストに登録いただくところがあるので、 そちらに入れていただければ「再開しました」という情報がメールで来るかと思いますので、登録していただけたらと思います。引き続き私たちもユーザーの方とのコミュニケーションが一番のやる気になっているので、 ぜひコミュニケーションをとらせていただけるとありがたいなと思っています。 伊敷:ありがとうございます。それではアイコサポート藤井さん藤田さんお願いします。 藤井:見えない、見えにくい私たちはその時に欲しい情報が取れないことによって、その可能性の壁が閉ざされてしまうので、ぜひその時に欲しい情報をタイムリーに取れたことによって、 その先に何があるのかっていうのをみなさんに実感して欲しいです。 あと先ほどフリーエリアのお話をさせていただいたんですけども、数日後にある場所で実証実験が始まります。そこではアイコサポートを無料で体験できます。 みなさんぜひ体験してみて、どんなことが起きるのかを実感していただきたいと思います。友達とか知り合いの方にもぜひ共有いただいて、ご案内がみなさんにもまもなく届くと思いますので、 ぜひみなさんで足を運んでいただけたら嬉しいです。お願いします。 伊敷:ありがとうございます。それではですね。このセッション「みんなで取り組む情報アクセシビリティ・コミュニケーション」ということで、主におよそ50分お話してきました。 3社ともすごく熱い思いを持って、ユーザーに当事者に意見を聞きながら、あるいは当事者が中に入って開発や提供を進めているということで、僕自身すごくモチベーションになりました。 お話を伺い、とても良かったと思います。これからもこういった素晴らしいサービスを継続できるように、そしてもっと選択肢が増えていくように僕もできることを一生懸命やっていきたいと思いますし、 ぜひ動画をご覧いただいてるみなさんもまずは使ってみるというところから始めていただけたらと思います。 ということで、このセッションは以上とさせていただきたいと思います。NaviLens 安藝さん、Ashiraseの千野さん、アイコサポート藤井さん、藤田さん、本日はありがとうございました。 ありがとうございました。 チームアイコラボの北山です。みなさん、今回は急なお願いにもかかわらず貴重なセッションをありがとうございました。 セッションの中で出てきたNaviLens Japan User Groupは昨年、ユーザーのみなさまと立ち上げました。ユーザーの方、NaviLensにご興味のある方、ぜひ画面に表示してあるQRコードをスマートフォンで読み取ってご参加ください。 NaviLensでも読み取ることができます。グーグルなどで「ナビレンス 日本 ユーザーグループ」と検索していただいても表示されます。 アイコサポートの体験会もぜひご参加ください。 「あしらせ」の6月のバージョンアップも楽しみにしています。 みなさま、本当にありがとうございました。