freee 総合字幕リスト 字幕総数 132 本編の長さ(およそ) 00:14 印刷日付: 2021/05/18 16:43:03 (齋藤)「小規模チームでのアクセシブルな プロダクト開発」ということで発表させていただきます。 まず自己紹介なのですが freee株式会社で UIデザイナーをしています齋藤正太です。 よろしくお願いします。 私は2019年3月にfreeeに参加し プロダクトの情報設計だったり UIデザインに従事をしています。 平日はクラフトビールのことを考えていて 週末に その思いを爆発させていると いうような感じで過ごしています。 最初に freee株式会社について ご紹介させていただきます。 freeeでは「スモールビジネスを 世界の主役に」というミッションを掲げて サービスの開発 および 提供を行っています。 会計ソフトとか人事労務ソフトなど バックオフィス向けのソフトを中心に開発しています。 最近では フロントオフィスのほうにも 注力をして開発しています。 単純に それらの業務の効率化をするだけではなく そこで得られたデータを使って 経営をよくして より自分のやりたいことに注力できるようにというような 世界を目指している会社です。 どういうプロダクトがあるかというと 「会計フリー」とか「人事労務フリー」というような バックオフィス向けのプロダクトだったり 先ほど言った「プロジェクト管理フリー」といった フロントオフィス業務の効率化というところを目指した プロダクトも開発しています。 本日は 2020年12月にリリースした 「freeeスマート受発注」というプロダクトを 開発しているチームでのアクセシビリティへの 取り組みをご紹介させていただきます。 まず「freeeスマート受発注」について ご紹介させていただきます。 「freeeスマート受発注」は スモールビジネス間の 受発注業務を効率化するためのサービスです。 発注者である企業と受注者であるフリーランスが 一緒にクラウド上において 電子データで 発注や請求のやりとりを直接 行うことで 転記や確認の手間を お互いに大きく削減することができます。 「freeeスマート受発注」を利用していけば クラウド上で 共同で情報を編集することができるので 見積もりで記載した内容は そのまま 発注や請求へ引き継げて 入力や転記の手間を大幅に削減することができます。 また サービス上で チャットのやりとりができるので そのやりとりが契約などでの履歴として保存され 証憑として扱うことができます。 次に 「受発注の見える化」ということで それぞれの発注状況の進捗確認を リアルタイムで見られたりとか 会計データでの分析も 「会計フリー」へ連携することで可能となります。 紹介したように Excelや紙・電話・ファクスを利用して それを受け取って それを更に転記するなど 非効率なやりとりをするのではなく パソコンやスマホを利用して クラウド上で デジタルで合理的なやりとりを実現することで 受注発注業務における負荷を減らすことができます。 スマート受発注は単純に 今 ご紹介した業務の効率化というところだけではなく 面倒で できなかったりとか 大変で自分にはできないとか これまで できなかった人も 簡単に受発注を行えるようになり どんな人でもビジネスの世界に参画できる状況を より増やすためのプロダクトであると思っています。 ここから やっと本題なのですが スマート受発注チームでのアクセシビリティへの 取り組みについて紹介させてもらいます。 freeeスマート受発注チームの体制としては 計4人でやっており プロダクトマネジャーが1人 エンジニアが2人 デザイナーが私1人でやっております。 freeeの中では いちばん小規模なチームという感じですかね。 スマート受発注のような新規プロダクト開発では 仮説検証や不足機能の開発の優先度が高く 変化も激しいので まずリリースして 検証するということが大事になってきます。 そのため ふだんの開発では 細かいUIだったり アクセシビリティを考慮した設計に なかなか手がつけられないことが多くありました。 ある機能のリリース前に 私がデザインチェックや アクセシビリティチェックをしていると ちょっとした挙動の違いがあったりとか アクセシビリティ周りが 対応されていなかったりすることに気づいて そこを対応されていない課題として エンジニアに伝えると エンジニアも本当は対応すべきと思っているが なかなか やれていないことに対して 課題感を私と同様に持っていました。 そういう同じ課題感を持っている段階で チームで話し合った結果 あらゆる点で ユーザーに使いたいと思われるサービスを 作りたいという思いがメンバー全員にあり そこで エンジニア2人とデザイナーで 月に1度 1日 集中して UIデザイン改善を行う日を企画していきました。 このUIカイゼンDayは 月1回 行われ 私がユーザビリティ・アクセシビリティ観点で 気になったところを課題として挙げて それをエンジニアに共有し 1日かけて改善してもらうというのが このUIカイゼンDayです。 例えば どういう改善をしていたかというと ここで記載しているような内容なのですが 例えば フォーカス時の アウトラインが表示されていなかったり 各種フォームでのlabelとinputの 関連づけがされていなかったりなどがありました。 これらを改善していったのですが freeeには WCAGをベースとした アクセシビリティガイドラインだったり デザイン作成時・実装時などのシーンごとに応じた アクセシビリティチェックリストなどがあるため 誰でも比較的 容易に このようなアクセシビリティ改善を 行えるようになっています。 このような先ほど言った地道な改善による成果として freeeスマート受発注のトップページにおいては 「Light house」というGoogle公式のチェックツールで アクセシビリティスコアで 100点をたたき出すことができました。 また トップページ以外においても 平均して90点以上というスコアをたたき出しています。 もちろん100点だからといって 完璧というわけではありませんが こういうUIカイゼンDayでの改善の効果を 定量的な数字として表すことができました。 また 数字として表したことによって このUIカイゼンDayが 成果を出している取り組みであるということを 関係者にもアピールでき ユーザビリティ・アクセシビリティ改善を 推奨する雰囲気を より助勢できたのかなと思っています。 つけられた数字としては いいのですが アクセシビリティ対応は本当に これで大丈夫なのかと いうところをチーム間で確認したいねという話になり freee社員のスクリーンリーダー利用者の 全盲のナカエさんに ユーザビリティテストという こちらから お題を出して 操作してもらうという形式で実際に触ってもらいました。 その結果 実際に触ってもらったことで まだ見えてなかった細かなフィードバックももらいつつも 大きな問題もなく操作をしてもらうことができました。 更に そこで見つかったフィードバックは 翌月のUIカイゼンDayで改善を行ったりしています。 また 実際に障害当事者が 自分たちで作ったプロダクトを 操作してる様子を観察できたことで 「この改善がなかったら ここで つまずいてたんだ」とか よりアクセシビリティ対応をすることの意味を チーム全員で より実感することができたと思っています。 このような改善サイクルを回しているので 実際の障害当事者からの 実際に利用してみたら どうだったかという声も 聞きたいなと思っていたさなか 社内にいる全盲エンジニアの野澤さんが 自身の仕事で 利用してくれているという話を聞きました。 これはフィードバックをもらいに行くしかないと思い 率直な感想を実際に 野澤さんに聞いてみました。 (野澤さん)何だろうな。 たまに お手伝いを頼まれる人から 今回は 僕はfreee使ってるんで 「野澤さんも使ってるんでしょう」 「だったら スマート受発注を 使ってみようと思うんだけど」と言われて。 アクセシビリティが どうとかっていうのを あんまり感じる間もなく 終わってしまったっていうのはあると思っていて。 最初 どういうシステムなのかっていうのが よく分からなかったので 思ってたことと違うことが起こって 「あれ これは どういうことだ?」っていう感じで ヘルプを見るとかはしましたけれども 本当に体験として何も変わらない感じの レベルになってたんじゃないかなと思いました。 ちょっと1セット受注しただけなので まだ たくさん使ってはいないんですが 1セットやることは当然できて 特に問題もなく そのおかげで頼まれた仕事を完遂することができ みんな ハッピーになったという感じです。 (齋藤)野澤さんからのフィードバックとしては お褒めの言葉しか出てこなくて すごく うれしい限りで 先方からスマート受発注を利用したいと言われて ご利用していただいて 受注1セットだけだったのですが 操作上 特に困ったこととか 理解できなかったとか アクセシビリティ観点で気になる所とかは なかったようで すごく安心しています。 最後の言葉が すごく うれしいと思っていて 実際 使ってみて 画面が見えてる人と遜色なく利用できて その上 仕事をちゃんと成功できて ハッピーだというところだったのですが 私たちが目指している どんな人でもビジネスに参画できる世界に 近づいているんだなというところを 実感することができました。 終わりに 我々freeeスマート受発注チームは このプロダクトを通して あらゆる人が 自身が持つ可能性を発揮するために 自分たちの力で仕事をスマートに受発注でき それによってビジネスに参画できる世界を 今後も目指していきたいと思っています。 そのために もっともっと サービスをよくする必要があると思っています。 ですので 是非 皆様に ご利用いただいて どしどしフィードバックをいただければなと思います。 スマート受発注は 完全無料で ご利用いただけるサービスですので 受注者も発注する方も完全無料ですので 是非 ご利用いただきたいと思っています。 ご利用していただいてる中で気になる所とか 「もっと こうしてほしい」とかがあれば トップページなどの画面の右下 html構造上だと いちばん下のほうに ご意見・ご要望を聞かせてくださいという エリアがありますので そこから どしどし ご意見などをお待ちしております。 以上で発表を終わらせていただきます。 ありがとうございました。